雪解けと災害~”融雪”あなどれないんです

響きはやさしくても

「雪解け」と聴くと

なんとなく厳しい冬が終わって

ようやく春がやってくるなぁという

ほっとするような印象がありますよね。

 

長い間、対立していた関係に

修復の兆しが見えるときにも

「雪解け」という表現が使われます。

そんなイメージの「雪解け」ですが

雪国では必ずしも手放しで

歓迎するものではありません。

 

それは「雪解け」による災害が

起きやすくなるから。

 

「雪解け」は「融雪」とも言いますが

毎年、3月初めに

国の中央防災会議の会長である内閣総理大臣から、

「融雪出水期における防災態勢の強化について」

という通知が都道府県や防災機関に出されています。

そのことからも、融雪による災害は

侮れないことがわかります。

 

ちなみに、この通知には

何が書いてあるかっていいますと

「これから、気温が上昇して

雪崩や落雪の発生、融雪に伴う河川の氾濫や

土砂災害が発生することが心配されますので

関係機関と緊密な連携の下

防災態勢の一層の強化を図ってください。」

そんなことが書かれています。

雪解け期に注意!雪崩

雪が融ける時期になると

まずは雪崩に注意する必要があります。

 

春先の雨上がりに急に気温が上がると

積もってる雪と地面の間に融けた水が入りこんで

摩擦力が弱まり、積もっている雪が全て滑り落ちる

全層雪崩が発生することがあります。

(国土交通省ホームページより)

雪崩って、登山者やスキーヤーが巻き込まれたり

人家が押しつぶされたりといった被害につながる

おそろしい現象ですからね。

白馬村雪崩静止画

(国土交通省ホームページより)

雪崩がおきやすい気象状態が予想される時は

地元の気象台からは「なだれ注意報」が発表されます。

スポンサーリンク


融雪が引き起こすこと

また、雪が融けると

水が地面にしみこんで土砂災害を起こしたり

水が集まって川を増水させたりということにも。

 

ある観測結果によると融雪最盛期の2~3週間は

毎日12~24mm程度の雨が降ったのと

同じくらいの雪解け水が地面にしみこんだり

川に流れ込んだりしているそう。

実際、毎年、雪国では、雪解けの影響で

地滑りなどの土砂災害が発生していますし

川や用水路が増水したりします。

 

雪の塊と水がまじりあった泥水が

用水路からあふれ出して

ビニルハウスや住宅が壊れたりするなどして

被害をより大きくする場合もあります。

 

雪解けによる災害が予想されるときには

気象台から融雪注意報が発表になりますし

川の増水が予想される時には

洪水注意報が発表されたりもします。

 

これらの注意報は、雪の少ない地方では

なじみがないと思いますが

旅行やスキーなどで雪国にでかけたときは

気を付けてくださいね。

スポンサーリンク


 

Follow me!