「台風等を要因とする特別警報」と警戒レベル~ややこしいポイント
台風第10号に関して「特別警報級」との表現で
最大限の警戒が呼びかけられています。
警戒レベルが始まって以来、初めて
「台風等を要因とする特別警報」が
発表される可能性が出てきました。
いろいろややこしく
誤解されそうなことが多いように
感じましたのでまとめてみました。
「台風等を要因とする特別警報」とは
「伊勢湾台風」級の台風や同程度の温帯低気圧が
来襲する場合に発表されます。
中心気圧930hPa以下または最大風速50m/s以上の
台風が接近・通過すると予想される地域
(予報円がかかる地域)に
暴風、波浪、高潮、暴風雪の警報が
特別警報として発表されます。
(沖縄地方、奄美地方および小笠原諸島については
別指標があります)
この「警報が特別警報として」という点もポイントです。
ポイント①高潮特別警報は「警戒レベル4相当」
特別警報は警戒レベル5相当
(災害が発生していてもおかしくない)!と
覚えている方が多いと思うので
混乱されるのではと思います。
確かに一番有名な特別警報と思われる
大雨特別警報は警戒レベル5相当とされていますが
高潮特別警報というのは
「伊勢湾台風」級の台風や
同程度の温帯低気圧が来襲する場合に
高潮警報を発表するところを
「高潮特別警報」として発表するものなので
警戒レベル4相当になります。
ちなみに、警戒レベル4相当とは
危険な場所から全員避難しなければならないような状況です。
ポイント②波浪特別警報と暴風特別警報は、相当する警戒レベルがない
波浪特別警報と暴風特別警報は
警戒レベルという仕組みに取り込まれていませんので
発表されても対応する「警戒レベル」はありません。
ですから、これらに警戒レベルという言葉をつけて伝えたり
ましてや「警戒レベル5です!」などと伝えることは
間違っています。
☆でも「警戒レベル」がつこうがつくまいが
重大な災害が発生するおそれが著しく高いことに
変わりはありませんから
安全を確保する行動をとっていただきたいです。
(これがとても大事!)
そもそも警戒レベルとは
警戒レベルは、大雨や高潮による災害に対して
住民の皆さんにとってほしい避難等の行動を
5段階に整理したもので
これらの現象の激しさのレベルから見て
整理したものではありません。
そのため、大雨、洪水、高潮の警報・注意報以外の
警報・注意報の中で、警戒レベル
すなわち避難等の行動に紐づけられていないものが
存在しているのです。
それらが、暴風や波浪関連の
警報・注意報、特別警報になっているんです。
ただ、暴風や波浪にしても
危険な場所や状況にある人は避難等の行動が必要です。
もっと分かりやすく整理されることも待たれますが
それよりも住民の皆さんが
これらの情報の意味と自分にとってとるべき行動を理解して
自ら判断して避難等の行動を起こしてほしいと思います。
ちなみに、大雨特別警報は
台風等の要因では発表されないことに変更されました。
大雨特別警報の発表指標は
降水量と土壌雨量指数を用いて定められています。
こちらの記事をご覧ください。
(図表はすべて気象庁ホームページより)