大雨特別警報の改善について~ポイントを解説

ほんとに危険な市町村に絞り込んで発表してます

2013年8月から始まった特別警報。

運用が始まった当初は、大雨特別警報って

その県の中の大雨警報の市町村を

すべて大雨特別警報として発表する

という運用が行われていました。

 

そうしますと特別警報クラスの雨が降っていない市町村にも

道ずれ的に大雨特別警報がでてしまうことになります。

 

そこで、気象庁では2017年に運用を見直し

災害の危険度が相当高まった市町村に絞って

大雨特別警報を発表するようにしました。

 

どのように絞り込むのかというと

大雨警報や洪水警報の危険度分布を用います。

(気象庁ホームページより)

広い範囲で数十年に一度の大雨になっている状況で

危険度分布が「濃い紫」

大雨による災害について

「きわめて危険」な状況になっている市町村に絞って

大雨特別警報を発表するようにしたのです。

台風要因の大雨特別警報は廃止に

そして2020年度には

さらなる改善が行われる予定になっています。

 

まず、大雨特別警報には大雨を要因とするものと

台風を要因とするものの2種類あるのですが

このうち台風を要因とするものを廃止するというものです。

 

台風を要因とする特別警報は

伊勢湾台風級の台風が

これからやって来る地域に発表されますので

1日とか半日とか、わりと早めに出る想定なんですね。

 

一方、2019年から始まった大雨の警戒レベルでは

大雨特別警報は警戒レベル5相当

何らかの災害がすでに発生していてもおかしくないという

切迫したときに発表されるものと位置づけられました。

 

この位置付けに合わせるために

早めに出る台風を要因とする大雨特別警報は

やめることにしたというわけです。

(国土交通省ホームページより)

とはいえ、伊勢湾台風級の台風が来るわけですから

気象庁は、早めに記者会見を開いて

暴風や大雨などによる災害に

極めて厳重な警戒が必要なことを訴えることにしています。

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解除後の洪水への警戒呼びかけも強化

もう一つの改善は、大雨特別警報を解除するときの

洪水への警戒の呼びかけを強化するというものです。

 

2019年の東日本台風(台風第19号)の時には

大雨特別警報が解除された後に

川の氾濫が相次いでしまったということがありました。

大雨特別警報は、その市町村に降っている

大雨に対して発表されるので

雨が弱まると大雨警報や注意報に切り替えられます。

 

でも大きな河川では上流で降った雨により

時間差で水位が上がってきます。

 

ときには、1日とか2日かけて水位が上がり

氾濫することもあります。

 

台風第19号の時も、大雨特別警報解除!って聞いて

安心してしまったという方も少なくなかったそうです。

 

そこで、これからは、そのようなときには

気象庁と国土交通省が合同記者会見を開いて

「大雨の峠は越えましたが、川の増水や氾濫はこれからです。

洪水には一層の警戒が必要です。」と

呼びかけるようになります。

 

と同時に、今後の洪水の見込みを示した

臨時の指定河川洪水予報を発表し

さらにSNSも発信して、世の中に広く

洪水への警戒を呼びかけます。

 

みなさんも大雨特別警報が

大雨警報に切り替わったからといって

決して安心しないで

「指定河川洪水予報」という川の情報も

チェックしてくださいね。

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