いちばん近くにいる雲~層雲
さわれる時もあります
層雲は空の一番低いところにできる雲です。
層という字がついている雲ですから
横方向に広がっていく雲ですね。
色は灰色っぽくて、雲の輪郭ははっきりしてなくて
もあもあっとした霧状の雲です。
この層雲が地面に接したものが霧って呼ばれるんですね。
逆にいえば、霧が地面に接していない時は層雲といいます。
霧になっている時は私たちも雲の中に入れる
つまり手が届くという意味では
私たちの一番近くにいる雲なんですよね。
雨が降っている時、高い建物の上の方が
雲の中に隠れていることがありますよね。
これは雨を降らせる乱層雲の下に
層雲がちぎれ雲となって低く垂れこめている状態なんです。
幻想的な景色を演出
雨が降っている時や雨あがりに
山肌や森の上に霧状の雲が立ち上っていく風景
見たことはありませんか?
この森林の上で発生する層雲には
シルバ(Silva)という名前がついています。
幻想的な景色を演出してくれるシルバ。
名前の響きも素敵じゃないですか?
よく晴れて風が弱い夜は
地表面から宇宙空間に向けて熱エネルギー逃げていって
地表面の温度が下がります。
これを放射冷却といいます。
地表面付近の気温が下がると
大気中の水蒸気が凝結、水の粒になって見えるようになって
層雲や霧となるのです。
特に盆地や谷筋では
周りの山から下りてきた冷気がたまりやすく
霧が発生しやすいです。
でも、このような霧や層雲は、
おひさまが昇ってくると次第に消えていきますので
朝霧とか朝曇りなどと呼ばれています。
見下ろせば雲海
層雲は低いところにできますので、
ちょっと小高い所に登れば
層雲の上に出ることができますよね。
見下ろせば雲海になっているというわけです。
濃霧注意報が発表されている朝などは
少し早起きして高いビルの上や小高い丘に登ってみると
雲海に出会えるかもしれません。
車の運転などにはくれぐれも気をつけて、
幻想的な景色に会いに行ってくださいね。