高潮について~怖いのは津波だけじゃない

ことばの”響き”にだまされずに

先日の台風第21号では、大阪や神戸などで

高潮による災害が発生しました。

 

水に浸かってしまった関西空港の様子が

思い浮かぶ方も、まだ多いと思います。

 

でも、“高潮“って

何だかあまり聞きなれない言葉ですよね。

“うしお”と読む漢字が使われていることもあって、

なんとなく風流なような

やさしげな響きを私は感じてしまうのですが、

実はとてもおそろしい現象なんです。

伊勢湾台風でも

戦後最悪の台風被害をもたらした

昭和34年の伊勢湾台風。

何かと「伊勢湾台風クラスの」と

巨大台風の代名詞のように引き合いに出されますが、

高潮が発生して愛知県や三重県を中心に

甚大な被害となり数千人の方がお亡くなりになったんです。

(内閣府ホームページより 伊勢湾台風被害状況)

 

高潮は、台風や発達した低気圧が通過するときに、

海面がいつもより大きく上昇する現象です。

 

よく地震による津波と高潮と

ごっちゃになちゃってる方がいらっしゃいますが、

高潮は台風など低気圧によっておこります。

 

海の水が急に

巨大なかたまりのように流れ込んでくるのは

津波も高潮も同じ。

 

今回の関西での高潮災害でも

海岸沿いにいた方が

「津波と同じだ。怖かった。」とコメントしてましたね。

 

低い土地ではなかなか水が引いていかないなど

災害の面でも共通することは多いです。

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高潮発生のメカニズム

高潮は主に「吸い上げ効果」

「吹き寄せ効果」によって発生すると説明されます。

 

吸い上げ効果を台風の場合で説明しますね。

 

台風の中心付近では気圧が低くなっています。

低い気圧は海水を吸い上げるように作用します。

(国土交通省ホームページより)

おっきな掃除機で吸い上げるみたいな感じかな。

 

それで海面が上昇してしまいます。

 

気圧が1ヘクトパスカル下がると、

海面は約1センチ上昇すると言われています。

 

もし、中心気圧が950ヘクトパスカルの

台風がやって来るとすると、

いつもは気圧1000ヘクトパスカルちょっとくらいですので、

だいたい50センチくらい海面が高くなる計算になります。

 

もう一つ。

台風によって強い風が陸地に向かって吹き続けると、

海の水が海岸に吹き寄せられて、海面が上昇します。

これを「吹き寄せ効果」っていってます。

(国土交通省ホームページより)

風が強いほど吹き寄せ効果が大きく働きますし、

風が吹いてくる方向に開いた湾では

とくに海面が高くなり危険です。

(気象庁ホームページより 赤丸の部分で高潮が大きくなりやすい)

 

さらに、実はもう一つ。

強い風によって波が高くなる波浪の効果も加わって

沿岸部では海面の高さが一段と高くなるんです。

(気象庁ホームページより)

 

このような効果が重なり合って高潮が発生します。

(気象庁ホームページより)

次回は高潮災害から身をまもるための情報について

お話したいと思います。

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