気象観測は大切です~今も昔もこれからも

長く続けてきたからこそ

「8月の月平均気温は29.1℃

これは1896年の統計開始の以来

最も高い記録となりました!」

 

ここで何気なく使われている

「統計開始以来」という言葉

 

これは気象台が気温などの気象観測を長年行い

ちゃんと観測データを蓄積してきたからこそ

使えるんですよね。

 

そもそも、日本の気象観測は、明治8年に

政府の御雇外国人・ジョイネルという

イギリス人によって東京ではじめられたそう。

 

その後、気象観測を行う地点が

全国に少しずつ増えていき

その観測結果が、毎日1回午前6時に

気象電報として全国から東京気象台(今の気象庁)に

送られるようになりました。

(当時の東京気象台)

集まってきた全国の気象観測の結果を

地図に書き込むことで

天気図が描けるようになりました。

これらは明治16年2月のできごとです。

 

これを毎日続けていくと

低気圧や高気圧などの動きがわかるようになります。

 

そして、明治17年6月1日には

毎日3回の全国の天気予報が

発表されるようになりました。

(明治17年6月1日6時

日本初の天気予報発表時の天気図)

このように気象観測の結果から天気図を描き

それをもとに警報や天気予報を出していましたので

気象観測はほんとうに必要不可欠なものでした。

現代になっても

時が進み、昭和34年(1954年)には

気象庁に数値予報というものが導入されました。

 

数値予報というのは

物理学の方程式をコンピュータに教えて

将来の大気の状態を計算するという手法です。

(全休モデル予報例)

今では、気象庁の予報業務のベースとなる技術ですが

この数値予報にとっても

観測データは計算の出発点になるので

なくてはならないものなのです。

 

コンピューターをつかった数値予報による予測って

とってもいいのですけれど

やはり完全ではありません。

 

低気圧の位置や速さが少しずれたり

短時間で急激に発達する積乱雲に伴う現象などは

ちょっと苦手だったり

 

ですから予報官さんは、

数値予報の結果と、観測されたデータとを比較して

予想を修正したうえで

天気予報や注意報・警報を発表しています。

 

ここでも、やはり観測データは重要なんですね。

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これからも

さらに、100年以上にわたって

気象観測データが蓄積されたからこそ

日本の気候が時代とともに

どのように変化してきたのかという

気候変動を知ることもできているのです。

(気象観測のイメージ)

気象観測は、人間が手作業で行っていた時代から

機械による自動観測へと変わりましたが

その重要性は今も変わっていませんし

ますます重要になっていると私は思っています。

※画像は全て気象庁ホームページより

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