夜光雲について~最も高い高度にできる美しい雲
超レアな雲です
私たちがよく見る雲は
対流圏と呼ばれる上空約10kmまでの
大気の層の中でできています。
今回お話する夜光雲は、対流圏のはるか上
上空約75〜85 kmにある中間圏界面と呼ばれる当たりの
ものすご~く高いところにできる雲なんです。
地球上で最も高い高度に発生する雲と言われています。
ということで、地上付近の雲が邪魔して見えないことも多くて
観測のチャンスが少ない、とってもレアな雲ですね。
(Wikipediaより)
見た目は、空の高い所にできる巻雲
刷毛でさっと書いたように見える雲ですね
その巻雲に似ていて、銀色や青っぽく輝いて見えます。
発生する時間帯は特に決まっていないのですが
日の出前や日没後に観測されることが多いです。
夜光雲ができているあたりは、ものすごく温度が低くて
マイナス120℃以下の世界
ですから、雲は氷の結晶でできています。
そして夜光雲の雲の粒には、流星の煙の粒が
含まれていることもあるんですって。
宇宙から飛んできたものが
作り出していることもあるなんて、夢が膨らみますね。
見てみたいなあ、と思いますが
発生するのは北とか南の緯度の高い地方なんですね。
でも最近は、緯度の低い地方でも見られるようになって
2015年には北海道でも観測されたそうです。
これは、地球温暖化で対流圏の気温が上がって
それに伴って中間圏の気温が下がった影響の可能性が
指摘されています。
(国際宇宙ステーションから撮影した夜光雲
Wikipediaより)
※参考:荒木健太郎,雲を愛する技術,光文社,2017
私たちが見ることのできるチャンスは
なかかなか見るチャンスがない夜光雲ですが
時折、私たちの住む神奈川県でも
観測のチャンスが訪れます。
それは、ロケットが発射されるとき🚀
ロケットの噴煙が核になって、夜行雲が発生し
それが見えることがあるんです。
実は、私も2017年の1月に神奈川県から
見たことがあります。
でも残念ながら写真は撮れませんでした😞
夕暮れ時、夜のとばりが降りてきても
青白く輝いている雲が見えて
感動したことを覚えています。
この日は種子島宇宙センターから
H2Aロケットが打ち上げられて
その噴煙が夜行雲となったんですね。
あの時のように、
ロケットによる夜行雲に出会うためには
ロケットの打ち上げのタイミングが
日の出・日の入りの直前であることや
空の低い所に観測を邪魔する雲がないことなど
いろんな条件がそろわなければなりません。
(2020年11月29日 H2Aロケットによる夜光雲
写真提供:寺田サキさん)
また出会って、今度こそ!写真に撮りたいですね。