突風の正体を突き止める~JMA-MOT出動!
機動調査班 出動!
天気予報で時々
「竜巻などの激しい突風にご注意ください。」
というフレーズ聴くことありませんか?
「竜巻などの激しい突風」
なぜそんな言い方になるかと言いますと
突風には、竜巻のほか
ダウンバーストやガストフロントなどの
種類があるからなんですね。
(竜巻・ダウンバースト・ガストフロント概念図
気象庁ホームページより)
そして、竜巻などの突風は
ごく狭い範囲で短い時間に起きる現象ですから
気象レーダーやアメダスなどの観測で
その様子を捉えることが難しいのです。
そこで、突風による被害が発生しますと
地元の気象台では
どのタイプの突風が発生したのか?
そしてどれくらいの強さ風が吹いたのか、を調べるため
現地調査に出かけるそうです。
その時に出動するのが
JMA-MOT(気象庁機動調査班)です!
少しでも多くの情報を
現地調査では、屋根瓦が飛ばされている
ビニールハウスが壊れているといった被害状況ほか
草木の倒れている方向や
物が飛ばされた方向なども調べます。
(リーフレット「気象庁の突風調査
~現象の解明に向けて~」より)
また、住民の方へ
突風が発生したのは何時頃ですか?
竜巻などを目撃しましたか?
写真やビデオを撮っていないですか?
ゴーという音や耳鳴りなどの異変を感じませんでしたか?
などの聞き取りを行います。
(リーフレット「気象庁の突風調査
~現象の解明に向けて~」より)
そして、これらの調査結果を
地図に書き込んでいきます。
このようにして、できるだけ多くの情報を集めて
被害の分布や物が倒れた方向のほか
目撃情報も参考にして、突風の種類を推定します。
風の強さはJEFで推定
風の強さは、被害の程度から推定しますが
以前は「藤田スケール」というもので
判断していました。
藤田スケールというのは
1971年にシカゴ大学の藤田哲也博士により
考案されたものです。
竜巻やダウンバーストなどの突風により発生した
被害の状況から風速を推定するもので
F0からF5の6段階で表されます。
被害が大きいほどFの数値が大きく
風速が大きいことを示します。
今、気象庁が使っているのは
「日本版改良藤田スケール」というもの。
(リーフレット「気象庁の突風調査
~現象の解明に向けて~」より)
被害状況の要素に日本でよく見られる
自動販売機や墓石等を加えるなど
改良がなされています。
例えば、木造住宅の屋根が大きくはがれる
という被害があったとします。
この場合日本版改良藤田スケールに当てはめてみると
日本版改良藤田スケールJEFは「1」になり
風速は約秒速45メートルと推定できます。
地道な積み重ねが大事
このようにして得られた推定結果は、
速やかに、気象庁ホームページで公表されます。
なんだか、突風現地調査って
突風被害の犯人捜しをする刑事さんみたい。
(リーフレット「気象庁の突風調査
~現象の解明に向けて~」より)
でも、調査結果が突風被害の統計的な分析のほか
突風の原因解明や竜巻注意情報の精度向上にも
役立っているそうですから
こういう地道な調査の積み重ねも大事なんですね。