富士山の笠雲について~雨の前触れ?

富士山が笠をかぶると

日本一の高さを誇る富士山。

 

ここ神奈川県からも富士山が見えると

何だかうれしくなりますよね。

 

時々、富士山の山頂に帽子のような雲が

ひっかかっているが見えることがあります。

これを笠雲といいます。

 

富士山が帽子をかぶっているようで、

不思議なような、ちょっと可愛いような雲ですが、

地元の皆さんは、古くから

その雲の様子を見て天気を予想してきました。

 

いちばん有名なのは

「富士山が笠をかぶれば近いうちに雨」

というものでしょうか。

「ひとつ笠は雨、二重笠は風雨」というものもあります。

 

奥深い笠雲の世界

笠雲ができやすいのは

上空の風が強く、

低気圧や前線が接近している時など

日本列島に暖かい湿った空気が入って来ているときなので

雨や嵐の前触れになるのですね。

 

実際、笠雲がかかったあとのお天気、

24時間後までに雨となる確率は夏は約75%、

他の季節でも約70%というデータもありますから、

なかなか良い成績といえますね。

 

でも、「離れ笠」といって

富士山山頂から離れた高い位置に笠雲がで来ている時は

天気は崩れないといわれています。

(離れ笠 Wikipediaより)

笠雲を見ての天気予報、なかなか奥深いですね。

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こんな形も あんな名前も

笠雲にはさまざまな形があって、

20種類に分類されています。

 

富士山がエプロンをしているような「まえかけ笠」、

一部が割れたような「われ笠」、

筒状の「えんとう笠」、

尾っぽが生えたような「おひき傘」などなど

名前もなかなかユニークです。

(国土交通省 富士砂防事務所ホームページより)

 

今度、富士山の笠雲に出会えたり

写真を見た時には、

どれに当たるか、調べてみようかと思います。

 

生まれては消えています

さて、山頂付近に止まっているかように見える笠雲ですが、

実は、上空の強い風に流されながら、

常に雲ができては消えるという

いわば新陳代謝を繰り返しているんですね。

雲は基本的に風が吹きあがっているところ、

昇気流のある所にできますが、

風上側では山の斜面に風がぶつかって上昇するため

どんどん雲ができていきます。

 

逆に、風下側の斜面では、風が吹き降りるので、

雲が消えていってしまいます。

 

これが絶え間なく繰り返されているため、

見た目には変化がないといいますか

同じところに雲があるかのように

山頂付近に引っかかって止まっているように見えるのです。

 

もちろん富士山だけでなく、

他の特に独立した高い山では笠雲がみられることがあります。

(筑波山の笠雲 Wikipediaより)

 

みなさんも各地の山で笠雲をみたら

山を越えていく風の流れに想いを馳せてみてくださいね。

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