霧について~霧のつくり出す感動的な景色
気嵐(けあらし)
前回、霧には、そのでき方でいろんな種類があります、
とご紹介しましたが、
「気嵐(けあらし)」って聞いたことありますか?
気嵐は冷え込みが厳しい冬の早朝から午前の間、
霧が水面に白く立ち上る現象で
先週ご説明した種類で言うと蒸気霧ですね。
気嵐は北海道の方言という節がありますが、
北海道の留萌や釧路、
富山県の雨晴海岸(あまはらしかいがん)などが有名です。
雨晴海岸って名前も素敵ですね。
気嵐で有名な地域はそれぞれとっても寒く
気温が氷点下にまで冷え込むところですけれど、
そうなると気温より水温の方が高いということが起こります。
お風呂の湯気と同じ原理で霧が立ち上って、
気嵐と呼ばれる幻想的な風景が生まれるわけです。
富山県の雨晴海岸でいうと
日本海って冬でも10℃前後くらいあるんですよね。
冬の日本海というと、寒風吹きすさぶ極寒の世界!って
思ってしまいますけど、
私たちが思っているよりは水温が高いということですね。
日本三大あらし
そのほか愛媛県の肱川(ひじかわ)や
鹿児島県の川内川(せんだいがわ)、
兵庫県の円山川(まるやまがわ)では、
霧が川に沿って嵐のような強風を伴って
流れ下っていく現象がみられます。
それぞれ肱川あらし
川内川あらし
円山川あらしといい
日本3大川あらしと呼ばれるそうです。
大体、10月から翌年の3月ごろまでの朝に見られる現象です。
たとえば肱川あらしが起こりやすい条件は、
前の日に湿度が高めで夜間に晴れて風が弱く、
いわゆる放射冷却で朝方すごく冷え込んで
大洲盆地に霧が発生しやすいこと。
それに加え、肱川が流れ込む先の
伊予灘の海面温度が高いことなどがあるそうです。
前回ご説明した種類で言うと、放射霧と蒸気霧ですね。
それらが発生しやすい条件がそろった朝、
大規模な肱川あらしが発生するそうですよ。
河口付近では先ほどの気嵐も発生すると
川から海へとつながる壮大な霧がみられることもあるそうです。
肱川あらしについては、シーズン中毎日、
地元のみなさんが予報を発表しています。
肱川あらしと川内川あらしについては、
WEBサイトが充実しています。
それぞれ観光資源として
地元のみなさんがとても大切にしていらして、
川内川あらしはPRソングもあるんですよ。
それぞれ動画も公開されています。
本当に霧が生き物のように流れていく様は感動的でした。
霧が風の流れを目に見えるようにしてくれているんですよね。
私もいつか、この目で見て、
霧とともに流れる強い風を感じてみたいです。
でも、各地の雲海を見に行くときもそうですが、
濃霧注意報が出ているかもしれません。
「濃い霧で交通障害等の災害が発生するかもしれませんよ」という時、
気象庁では濃霧注意報を発表しますから、
車の運転などには十分気を付けて
暖かくして観に行ってくださいね。