台風について①~台風でなくなっても
台風に関する数のお話から
今年は台風発生のテンポが速くて
今日現在、もう20個。
一年間で発生する台風って平均して約26個ですから、
今年は平均を上回るかもしれませんね。
台風についてはいろいろとお話したいことがありますが
ではまず数に関するお話からいきましょうか。
一年の平均で約26個発生と言いましたが、
そのうち約11個が日本に近づき、上陸するのは約3個。
(気象庁ホームページより)
台風というと夏から秋というイメージかもしれませんが、
冬や春には日本に近づいてこないだけで、
実は一年中、南の海の上で発生しています。
気象庁では1月1日以降、
最も早く発生した台風から第1号として
発生順に番号をつけていくんです。
台風誕生の物語
そんな数のお話を押さえたところで
台風の生まれ故郷、南の海の上を思い描いてみてください。
南の海はとってもあたたかいので、
その上には大量の雲の原料=水蒸気があります。
その水蒸気を原料・エネルギー源にして
南の海の上でポコポコっと雲が発生し、
何らかのきっかけで集まり、渦を巻くようになり
大きな渦にまで発達したものが台風です。
(2018年8月20日の台風19号 ひまわり8号リアルタイムWebより)
雲が集まり渦となるには
地球の自転による力が必要なんですね。
これをコリオリの力と言います。
赤道直下の地域っていうと、と~っても暑いので、
なんだか台風できやすそうですよね?
でも、この赤道直下はコリオリの力が弱いため台風はできないんです。
この台風のように熱帯地域で発生する低気圧を
熱帯低気圧っていいます。
熱帯低気圧のうち中心付近の最大風速が
約17m/s以上になったものを台風と呼んでいるんです。
サイクロンやハリケーンって
海外のニュースなどで聞いたことありますよね。
これらは発生する地域によって呼び名が違うだけで、
台風と同じ熱帯低気圧、つまりものとしては同じです。
台風じゃなくなっても
台風の原料、エネルギー源は先ほどいいましたとおり、
水蒸気ですのから、
日本に上陸すると海からのエネルギー補給ができなくなり
弱まっていきます。
台風は弱まっていくと消えてしまうか、
温帯低気圧に構造が変化していきます。
温帯低気圧というのは日本に四季を通じてやってくる、
あの日々の天気予報でおなじみの低気圧のことです。
この温帯低気圧のエネルギー源は
冷たい空気と暖かい空気との温度差なんですね。
温帯低気圧になったということは、
台風が単純に弱くなったというわけでなく、
別のものをエネルギー源にできる構造に
変化したということなんですよ。
北上して冷たい空気に触れることで、
台風自身が持っている暖かい空気との温度差が
新たなエネルギー源となって再発達することもあります。
大雨を降らせたり、台風だった時より
強い風の吹く範囲がひろがったりすることもあるんです。
台風でなくなって
「温帯低気圧になりました」と言われたからといって、
決して油断はしないでくださいね。