降水確率について
答えに困る質問
気象予報士になってから
「降水確率何%以上で傘持っていけばいいんですか?」
と聞かれることがあります。
確率っていうものの考え方、使い方って
難しいですよね。
例えば降水確率10%ということは、
1ミリ以上の雨または雪が10回のうち1回は降る
逆に10回のうち9回は降らないってことです。
それをどう考えるか?
傘を持っていくか?いかないか?は
それぞれご判断ください、としか言えないんです。
よくある誤解
降水確率などの予報は、
ある程度の広さを持った区域に対して
発表されています。
気象庁の予報は
例えば神奈川県で言うと東部と西部の
二つに分けた区域を対象に発表されてます。
「降水確率80%って結構高かったのに
雨降らなかったね~!」
とおっしゃる方に私は
「まあ80%ですから10回に2回は降らないんです。
それに三浦半島に住んでるあなたの頭の上で
雨がふっていなくても、
神奈川県の東部のどこか、
たとえば川崎辺りでは
1ミリ以上の雨がふったのかもしれませんしね。」
と、なんだか気象庁さんを弁護するようなことを
ご説明したりします。
それから降水確率でよくある誤解が
10%より80%の方が強い雨がふるというもの。
雨や雪の降る強さ、量は関係ありません。
降水確率0%でも降ることが?
実は降水確率は四捨五入して0%、10%、20%・・・というように
10の倍数であらわしています。
ですから0%って言ったって実は
4%とか3%など5%未満の確率かもしれないんです。
さらに「1ミリ以上の雨や雪の降る確率」ですので、
「1ミリ以下の雨や雪」がちらっと降ってしまう時もあります。
そんな降水確率、私はどう使っているかと言いますと、
お天気の大まかな傾向を見るために使っています。
例えば天気予報で「くもりのち雨」というお天気マークをみた時、
降水確率が高くなる時間帯を探して
「あ~この時間帯から降り始めそうなんだな」と
大まかな傾向を掴む参考にします。
日々の生活では大体の時間帯が分かる程度で
よいことも多いですからね。
もう少し降りだすタイミングを絞り込みたいときは
解析雨量・降水短時間予報なども
併せて参考にしています。
あくまで感覚ですが・・・
では最初に戻って「降水確率何%以上で傘を持つか?」
という問題ですが
気象予報士のお仲間や気象キャスターさんと話してみると、
何かの調査結果でなく、あくまでも感覚ですが、
日本人は降水確率30%以上の時に
傘をもっていく人が多いなあって感じている人が多かったです。
繰り返しになりますが降水確率は
何%以上になったら傘を持ってでかけましょう、というためのものではありません。
え?私ですか?
私は、出かける時は傘をたいてい持っていきますし
置き傘もしています。
・・・だって「気象予報士なのに!」って
言われてしまいますから(^-^;