雨量と災害の関係は複雑です①~”降り方”も災害発生に大きく影響

雨量=降水量の基本から

「明日6時までの24時間に予想される雨量は

多いところで200ミリでしょう」

「降り始めからの総雨量は

450ミリとなっています」などと

よく耳にしますよね。

 

雨量、正しくは降水量と言いますが

単位はミリメートル、で略して”ミリ”をつかいます。

 

・・・えっ、長さの単位?と思われるかもしれませんね。

 

雨量は、降ってきた雨が地面にしみこまず

どこにも流れないで地面にたまったとしたら

どれくらいの深さになるのかを表すものです。

深さですから長さの単位、ミリ(メートル)を使うんです。

(気象庁ホームページより)

上から下までまっすぐの筒状の容器

缶のようなものを置いておけば

容器の大きさには関係なく

雨の量をたまった水の深さで

比べることができるというわけです。

何ミリ降ると災害が発生?・・いやいや・・

さて、その雨量ですが

何ミリだと災害が発生すると思いますか?

200ミリ?500ミリ?

 

いえいえ、そんなに単純な話ではないんです。

 

単純じゃない理由の一つは

大雨の降る時間の長さによって

災害の起こり方が変わって来るということです。

 

仮に200ミリという雨量について考えてみましょう。

例えば、二日間かけて

じわじわと200ミリ降ったとします。

 

降った場所にもよりますが

川はいつもよりは水位が上がってきますし

小規模な土砂崩れなどは起きるかもしれませんが

大災害までにはならないかもしれません。

 

でももし、2時間とか3時間という短い時間に

200ミリ降ったとしたら・・・

 

これはもう大変なんです!

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短時間に降る強い雨のこわさ

短い時間に大量の雨が降ると

平らな土地では道路や田畑が水に浸かってしまったり

内水氾濫といいます)

あまり大きくない中小河川では一気に増水して

あふれるかもしれません。

 

山間部を流れる川などは激流に変貌。

護岸が水の勢いでえぐられたり(洗堀といいます)

流されてきた木が橋にひっかかってダムのようになり

そこから水があふれたりするかもしれません

(堰上げといいます)。

(国土交通省ホームページより)

山奥を流れる渓流では、溜まっていた不安定な土砂が

激しい水の流れによって一気に流れだし

土石流を発生させることも考えられます。

 

土地が傾斜しているところでは

激しい水の流れによって

表面の土砂が崩れる可能性もあります。

 

さらに怖いのは、降り続く長雨の中で

このような短時間の大雨が降ること。

より大きな災害となる可能性が高くなってしまいます。

 

一口に同じ200ミリでも

それがどれくらいの時間をかけて降ったかによって

ぜんぜん意味あいが違ってきてしまうんです。

 

このように、雨量と災害は

雨の降り続く長さや、地域性、大雨の範囲

などなどが関係する複雑なものなんです。

 

総雨量が多いと災害の危険度が高くなるなどという

単純なことではありません。

 

単純じゃない理由については、また書きたいと思います。

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