山は雲の芸術家~おもしろい雲をつくります

山により おもしろい形の雲ができるわけ

空には

いろいろな種類や形の雲が浮かんでいますが

とくに山の上や山の近くでは

おもしろい形の雲が現れることが多いです。

山は空気の水平方向の流れを妨げます。

 

山に行く手をじゃまされた空気は

山を越えようとして上昇したり

山を回り込んだりします。

 

このような空気の乱れが

特徴的な形の雲を発生させるんですね。

 

例えば、山の頂にかかる笠雲

 

富士山にかかる笠雲は有名ですね。

湿った空気が山にぶつかって上昇するときに雲ができ

山越えで下降気流になるときに雲が消えるため

山頂付近にだけ雲ができるというわけです。

 

笠雲の仲間として、つるし雲

レンズ雲という雲もあります。

水が流れ落ちているかのように

一方、層雲、層積雲、積雲といった

比較的低い空にできる雲が山を越えるときに

風下側の山肌にそって

滝のように雲が流れ落ちる様子が

見えることがあります。

 

これは滝雲と呼ばれています。

きれいな滝雲は

ほんとうに水が流れ落ちるように見えます。

 

よく見られるスポットとして

新潟県魚沼市の枝折峠(しおりとうげ)

三重県御浜町、北海道の摩周湖などが有名ですね。

 

私も一度見てみたいものです。

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空を泳いでいるみたい

もともと発生していた雲が山の影響で

おもしろい形に変形する場合もあります。

 

その一つがくらげ雲

山を越えるときの気流の乱れによって

雲の底や雲の形が乱され、

くらげの触手ように

垂れ下がる雲ができることがあって

くらげ雲と呼ばれるんですね。

 

本当に空を泳いでいるように見えて

おもしろい雲です。

大規模な作品例

山脈のように大きな山の塊が

大規模な雲の芸術家になる場合も

 

その一つが山によってできる波状雲です。

 

気象衛星でみると、山脈の風下側に

山脈と並行に何本もの雲の列が

発生していることが見られることがあります。

(気象庁ホームページより)

山を越えた気流が波打ってできる

山岳波が作り出す芸術作品ですね。

 

山が空気の流れを

二つに分けることによってできる

雲の芸術作品・・・それがカルマン渦です。

 

カルマン渦というのは

流れのなかに障害物があるとき

その後方に交互にできる渦の列のこと

 

冬型の気圧配置のときに、気象衛星画像を見ますと

韓国の済州(チェジュ)島の風下の東シナ海で

カルマン渦が見られることが多いです。

(気象庁ホームページより)

ちょうど、勾玉を交互に並べたように

コンマ状の雲が島の風下方向に連なっています。

 

この雲が現れると、気象予報士の仲間内では

盛り上がってしまいますね♪

 

山があるおかげで

変わった雲や美しい雲が見られるのですから

ほんとにすばらしい芸術家だなと思います。

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