雨量と災害の関係は複雑です②~その地域にとって”まれな”雨量??

いつもの雨量?めったにない雨量?

前回は、大雨の降る時間の長さによって

災害の起こり方が変わってしまうというお話をしました。

 

例えば、同じ200ミリの雨が降ると言っても

長い時間をかけてじわじわ降るのと

2時間とか3時間という短い時間に降るのとでは

全然意味が違ってくる。

短時間に降る激しい雨は怖いです!というお話をしました。

 

雨量と災害の関係は複雑というもう一つの理由は

雨に強い地域と弱い地域があるということ。

 

一般的に、年間降水量の多いところは

雨による災害に強いと言われています。

 

雨量が多いことを前提に、堤防を高くしたり

雨水をためる巨大な地下トンネルを作ったり

土石流を食い止める砂防堰堤とか砂防ダムと言われるものを整備したり

そういう様々な対策がとられています。

また、自然の側も、たびたびの大雨によって

大量の水が流れることで川幅が広くなっていたり

崩れやすい土砂はすでに崩れてしまったりしているため

相当な雨でも災害になりにくくなっている

ということもあります。

 

一方、年間降水量の少ないところは

大雨の頻度も少ないわけですから

雨の多い地域ほどの強固な対策がとられていませんし

崩れやすい土砂が崩れずに残っていたりします。

 

ですから、災害がおきるかどうかは

単に総雨量、降った雨の量の多い少ないではなく

その地域にとってめったにない雨量かどうか

ということが重要になってきます。

メカニズムがむずかしい 川の増水

さらに、雨量と災害の関係が難しいのが川の増水ですね。

 

流域といって、その川に水が集まって来る範囲全体に

降る雨の量が関係してくるために

ちょっとややこしくなってしまうんですね。

(相模川流域図 国土交通省ホームページより)

たとえば、土砂災害ですと

広い範囲で大雨が降っているときは

あちこちで土砂災害が発生しますが

個々の土砂災害はあくまでもその場所に降った雨量と

地形や地質などに左右されます。

 

そこに降った雨の量がストレートに効いてしまうんですよね。

 

でも、川の増水ですと

下流の方ではそんなに雨が降っていなくても

上流の方で大雨になっていれば

少し時間をおいて増水してきます。

 

県をまたぐような長い川ですと流域も広いですから

広い範囲で大雨となっているときは

川の水位は時間をかけてじわじわと上がってきたりもします。

 

そんなわけで、洪水は、大雨になっている地域と

洪水の発生個所が違っていたり

大雨のピークの時間帯のずっと後に危険度が高まってきたりと

複雑なんですよね。

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活かしてほしい 防災気象情報

このように雨の量と災害の関係は、とっても複雑なのですが

これらを加味して発表されるのが大雨警報や洪水警報であり

これらの危険度分布なんですね。

(気象庁ホームページより)

まずは、お住まいの地域のリスクを知ることから

始めていただいて

雨の量の多い少ないだけで判断せず

大雨のときに発表されるこれらの情報を活用して

災害からご自身と大切な人の命を

守れるようになっていただきたいと思います。

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