記録的短時間大雨情報①~”キロクアメ”誕生から

”キロクアメ”誕生の背景

大雨が降っている時

「気象庁は、○○市付近に1時間に

約100ミリの雨が降ったとみられるとして

記録的短時間大雨情報を発表しました。」

などという情報をテレビやラジオで

見聞きしたことありませんか?

 

きろくてきたんじかんおおあめじょうほう

 

噛まずに三回連続で言えないほど

名前が長いですよね(笑)

今回は「キロクアメ」と呼ぶことにしますね。

 

このキロクアメ。

実は、昭和58年(1983年)から始まってますから

けっこう歴史はあるんですよね。

昭和57年に、いわゆる「長崎大水害」と呼ばれる

たいへんな豪雨災害がありました。

 

長崎市の観光名勝、眼鏡橋が壊れた映像を

覚えていらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。

(修復後の現在の眼鏡橋の様子)

さらに、翌、昭和58年には

島根県を中心とした大雨災害が発生しました。

 

これらの災害は、長い時間かけて降るタイプの大雨と違って

短い時間に猛烈な雨に見舞われたという特徴がありました。

 

この二つの豪雨災害を経て

気象庁では、短かい時間に記録的な大雨が降ったという事実を

速やかに発表することにしました。

 

これがキロクアメの始まりです。

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雨量計のないところの雨の量も

キロクアメは、初めは、

気象庁のアメダスで捉えられた雨量をもとに

発表されていました。

(雨量計)

アメダスの雨量観測所は、全国に約1,300か所

平均すると約17km間隔に1か所あるのですが

それでも、大雨が狭い範囲に降った時は

捉えきれないことがあります。

(雨量観測所 気象庁ホームページより)

 

そこで、気象庁では

気象レーダーで捉えた雨雲の強さと

地上の雨量計で観測した実際の雨量とを組み合わせて

1㎞四方の細かさ※で雨量を計算・推定した

「解析雨量」というものを開発しました。

(開発当時は5㎞四方の細かさでした。)

 

これを使えば

雨量計のない場所の雨量も把握できるわけです。

 

今ではキロクアメにも

この解析雨量が使われています。

 

「横須賀市付近で1時間に約100ミリの大雨が降りました」

というように、“約“が付いているのは

推定した雨量・解析雨量を使っている場合

だたの「100ミリ」となっている時は

雨量計で観測された雨量を使っている場合です。

(キロクアメの発表例 気象庁ホームページより)

 

基準は地域により違います

キロクアメの発表基準は地域によって異なります。

 

「その地域にとって、数年に1度あるかどうか」という

1時間の雨量で決められています。

 

雨の少ない地域、北海道の一部や福井県などは

「1時間に80ミリ」

雨の多い地域、三重県、四国の太平洋側、

宮崎県、鹿児島県、沖縄県などでは

「1時間に120ミリ」となっています。

 

ここ神奈川県は「1時間に100ミリ」です。

 

でも「1時間に100ミリ」とか「120ミリ」と言われても

どんな雨なのか?ちょっと、ピンときませんよね。

 

このキロクアメが自分の市町村に発表されたって聞いたとき

私たちはどうすればいいのでしょうか。

 

それはまた、別の機会に。

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