遠くから見ている分には美しい~積乱雲
高くそびえ立つ雲の王
積乱雲は雲の底は
上空2000mより低いところにありますが
雲のてっぺんは上空10000m以上にも及ぶ背の高い雲です。
高い塔のように垂直に立ち上がって、大きすぎて、
その全体像は少し離れたところからでないと
見ることはできません。
以前、わた雲と呼ばれるようにかわいかった積雲が
上へ上へと成長して大きな塊のような雲になって。
雲のてっぺんがカリフラワーのようになってくると
雄大積雲と呼ばれるようになります、とご説明しました。
雄大積雲は突然のにわか雨を降らせることがあります。
ザーと降らせますが、長くは続きません。
その雄大積雲が、さらにさらに上へと成長し続けると
雷や時には雹をもたらすようになります。
これが積乱雲です。雷雲ともよばれますね。
アンビルは〇〇のしるし
積乱雲が成長を続けると
やがて雲のてっぺんの輪郭がぼやけてきて
毛羽立った雲が水平方向に拡がるようになります。
これは、雲が見えない天井に突き当たったようなものですね。
この天井は圏界面といいまして、
私たちのいる対流圏とよばれる空気の層と
その上の成層圏という空気の層の境目なんです。
雲はこの圏界面を越えて成層圏までには
盛り上がることができないので
水平方向に拡がるというわけです。
この水平方向に拡がった雲の形が
金属を加工する作業台の「かなとこ(金床)」に似ていることから
かなとこ雲とかアンビルと呼ぶことがあります。
ちょうど、アイロンを逆さにして
横から見た形といったところでしょうか。
このアンビルができている時が
積乱雲の成熟期にあたります。
ちょっと、通りすぎちゃった💦
また発達した積乱雲のてっぺんの部分の一部が
ぴょこっと上に出っ張ったりすることがあります。
これは積乱雲の中の上昇気流が強い時に見られる現象で
天井部分で止まれずに
ちょっとだけ通り過ぎちゃったってことなんです。
これをオーバーシュートっていいまして
気象衛星ひまわりから送られてくる
雲の衛星画像でもわかる時もあります。
このように発達した積乱雲を遠くから見ている分には、
その雄大さに見とれてしまうというか、
美しさを感じますが、
実は、たいへんこわい雲でもあります。
その積乱雲とのおつきあいの仕方については
また別の機会に。