フェーン現象について~”風炎”が生まれるしくみ

フェーン現象 基本原理

フェーン現象というのは、風が山にぶつかって

その山を越えて山の反対側、風下側に吹き降りる時

気温が山を越える前より高まることをいいます。

 

山を越える時に風の温度が上がる仕組みを説明しますと・・

 

風が山にぶつかって斜面にそって登っていくとき

高さが高くなるにつれて温度が下がっていきます。

 

そして、温度が下がると、風に含まれている水分が

溶け込んでいられなくなって水や氷になり雲が発生。

 

雲から雨が降り、頂上に着くころには

水分があまり含まれない乾いた風になっています。

 

その風が、こんどは斜面にそって吹き降りていくのですが

吹き降りていくにつれ、つまり高さが低くなるにつれ

温度が上がっていきます。

 

そうやって高温の風が

山の反対側、風下側に吹き降りていくのですが

その温度が下がったり上がったりする割合が

空気の湿り具合、含まれる水分量によって違うので

風上側より風下側、吹き降りる側の方が温度が高くなる

そういう仕組みになってます。

(気象庁ホームページより)

 

湿っている空気では100メートル高くなると

気温は約0.6℃下がるのですが

乾いた空気では100メートル高さが低くなると

気温は約1℃上がる。その差ですね。

 

その変化の割合の差があるから

風下側・吹き降りていった側で気温が上がってしまうんです。

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”ドライ”なタイプも

もう一つ。

風上側で雲ができたり雨が降ったりしないタイプの

フェーン現象もあります。

 

これは風の湿り具合がかわらないフェーンで

ドライフェーンといいます。

 

山の頂上付近を吹く風が何らかの力を受けて

斜面を吹き降りて山のふもとの気温が上がる現象です。

 

このタイプのフェーン現象も結構起きてるんですよ。

 

まさに”風炎”

いずれにしても、フェーン現象は

温度の高い風が吹き降りてくるので猛暑の原因になりますし

過去には、大規模な火事を引き起こしたこともあります。

(H28年糸魚川市大規模火災 総務省消防庁ホームページより)

 

気象学者で元中央気象台長の岡田武松さんという方が

風炎という字をフェーンの当て字としました。

 

炎の風。ピッタリですね。

 

暑さもなることながら

火の元にも注意しましょう!ということですね。

 

これからのシーズンですと

台風が日本海を進む時にフェーン現象がおきやすいです。

 

台風に向かって暖かく湿った空気が吹き続けるため

山を超えた風下側にある北陸地方などに

乾いた高温の風が吹き降り

猛暑をもたらすことがあります。

 

先日も台風第10号がもたらした

南寄りの風によるフェーン現象で

新潟などで40℃を超える気温に

(気象庁ホームページより)

 

台風は大雨や暴風、高潮などだけでなく、暑さももたらす・・・

もう、勘弁してください、と言いたいですね。

 

ちなみにフェーンという名前の由来は

アルプス地方を吹く乾いた暖かい風で

ドイツ語でFöhn南風という意味だそうです。

 

日本は山が多いですからね。

このフェーン現象は、大小あちこちで起きます。

 

自然のことですから、受け入れていきませんとね。

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