高潮災害から身を守るには~タイミングを逃さずに!
高潮予想は難しい
前回は高潮というものの発生するメカニズムとか
海の水が陸地にあふれてくるという点で
津波と同じように恐ろしい現象なんですよ
というお話をしました。
でも、台風のコースがちょっと変わるだけで、
気圧や風の向きとか強さもちょっと変わってしまって、
そのちょっとの変化で
高潮が発生する場所や海面の高さって
大きく変わってしまいまうんですね。
そんなわけで
実は高潮の予想はとっても難しいのです。
高潮は急にやってくる
そして高潮は、じわじわと海面が盛り上がってくるのでなく、
短い時間のうちに急に海面が高くなって、
しばらくその高さが続くというところが怖い現象です。
(大阪管区気象台 平成 30 年 9 月 4 日の台風第 21 号による
暴風と大雨、高潮に関する大阪府の気象速報より大阪の潮位実況図)
そんな高潮から身をまもるために、
気象庁から発表される
注意報・警報についてご説明していきますね。
高潮注意報・高潮警報とは
まず、気象台は
「台風等による海面の異常上昇の有無や程度について
一般の注意を喚起するために高潮注意報を発表する」としています。
高潮注意報では
高潮で海岸付近の道路や低い土地が水浸しになったり、
港にある船に影響があるかもしれませんよ、
というような注意を呼びかけます。
今後24時間以内に高潮警報の発表基準になると
予想されている時には、
「高潮警報に切り替える可能性がありますよ」ということも呼びかけます。
そして、高潮警報は高潮によって市街地などの
みなさんの住まいの地域に海水が入ってくるおそれがあると
予想されるときに発表されます。
海水が入ってくるかどうかは、
高潮の程度と海岸堤防などの高さが関係しますから、
高潮警報の基準は市町村ごとに細かく決められています。
例えば、横須賀市の高潮警報の基準は
相模湾側だと標高1.2メートルですが、
東京湾側の川崎市は標高2.6メートルと、
1.4.メートルも違います。
ですから自分の市町村に高潮警報が発表されたということは、
海水が堤防を超えて自分の市町村の市街地などに
入ってくるかもしれないっていうことを意味しているのです。
(気象庁ホームページより)
海岸付近の方は、早めに安全な場所に避難した方がいいです。
高潮からの避難で忘れちゃいけないこと
避難するとき気を付けていただきたいことがあります。
それは
高潮が発生するときは、暴風にもなっているということです。
高潮は台風の中心付近で急に海面が上昇する現象ですが、
暴風は、たいてい高潮より前にやってきます。
高潮警報も
基準に達して海水があふれ出してくると予想される
3~6時間前に発表されますけれど
発表を聞いて避難しようと思った時には、
もう外は暴風になっているかもしれません。
暴風になるタイミングを事前に確認して
暴風になる前に安全な場所に移動することが大切です。
海岸付近にお住まいの方は特に覚えていてください。