台風情報について~見方のポイント
丸と線の意味をおさえましょう
台風が日本に近づいてくる時の天気予報。
丸がなんだかたくさん描かれた天気図を
思い浮かべますよね。
メディアによって、若干色使いなどが違いますが、
おおもとになっている
気象庁の台風情報で説明しますね。
まず、白い点線で描かれた丸は
予報円といいまして、
台風の中心が今後進んでいくと予想される範囲を
示しています。
次に、台風の中心の周りの赤い丸。
これは暴風域といって
風速25m/s以上の暴風が吹いているか
(地形の影響などがない場合に)
吹く可能性のある範囲を示しています。
予報円の外側を囲むように描かれている
赤い線は暴風警戒域っていいまして
台風の中心が予報円のなかを進んだ場合、
5日(120時間)先までに暴風域に入るおそれのある
範囲全体を示しています。
暴風域を伴わない台風もありますので、
この赤い丸と赤い線はない時もあります。
黄色い丸は強風域といいまして
風速15m/s以上の強風が吹いているか
(地形の影響などがない場合に)
吹く可能性のある範囲です。
丸に入っていないから安心?
さて!基本を押さえたところで、
台風情報を見る時のポイントを申し上げますと
白い点線の丸の予報円。
この丸に、ご自分の住んでいる場所が入っていないから
「安心だわ~」ということじゃないんです。
この丸の中に台風の中心が入る確率は70%。
ということは、30%の確率で
丸以外の範囲に台風の中心がいくってことです。
これ油断しないでくださいね。
さらに、今は台風の5日先までの進路を
予報した図が発表されてますが、
予報円がだんだん大きくなっていってるので、
台風が強くなっていくように
誤解されることがあります。
丸の大きさは台風の強さをあらわしているのでなく、
先ほど説明した通り台風の中心が
今後進むと予想される範囲ですから、
丸が大きいっていうことは、
それだけ予想が難しいことをあらわしています。
台風によって予想の難しさが違うので、
丸の大きさも違ってくるんです。
予報円の中心を結んだ白色の点線が
描かれることもありますが、
この線は台風が進む可能性の高いコースを示しています。
でも、必ずしもこの線に沿って
台風が進むわけではありません。
”上陸しました!”に潜む危なさ
よく「台風がどこどこに上陸しました!」って
メディアで伝えられるので
つい台風の中心に気をとられてしまいがちですが、
台風の中心から離れた地域でも災害は発生しています。
(平成29年台風第21号による大阪府岸和田市大沢町の被害
上陸したのはに静岡県掛川市付近
気象庁ホームページより)
確かに中心付近は
風も雨も強いのですけれど、
台風の中心から離れた地域でも
台風からのしめった空気などの影響で
大雨になったりしますので、
台風の中心だけに注目することはとっても危険です。
また「暴風域には入らないわ~」といって
気を緩めることも危ないです。
暴風域以外の地域でも
竜巻などの激しい突風が発生するなど
被害が出ていますから。
さらに、以前お話した、うねりによる高波。
これも台風がまだ遠く離れている時から
要注意ですね。
今までお話したポイントに気をつけて、
しっかり台風に備えていただきたいと思います。